http://www.placem.com/schedule/2010/20101206/101206.html
メインギャラリーは、西岡広聡さんの「一个人」です。
西岡さんに「一个人」の意味を聞くと一人と言う意味だそうだ。
丁度前回の個展「人民路」のとき、中国では反日デモがあちらこちらで行われていて、そう言えば中国の人は一人で居るより集団で居る方が印象的だと言うことに気が付いた。
そこで、一人で写って居る写真をセレクトすると、思ったより意外と多かったので今回作品として纏めたそうだ。
中国人は集団で居ることが多いと言っても友人と連んで居る訳ではなく、自然に人が集まりトランプを始めたり食事が始まったりする。
西岡さんは言う。「一人の中国人はどことなく寂しい感じがする。寂しがり屋なのかもしれない。」
作品全体としてストーリーがある訳ではなく、一枚一枚一人一人の中国人が写っています。
ミニギャラリーは、清水チアキさんの「川肌はひたひたと、シーツに灰色の染みを残す」です。
清水さんは現在、蔵前のギャラリーカワウソでも清水チアキ写真展「鍋の底の山脈」を開催中です。
今回の作品は故郷の九州よりご両親が東京へ遊びに来た時のある一日がテーマとなっています。
写っているのはご両親と双子の妹さんと、わずか数時間の家族に戻った時間です。
清水さんは東京で写真の仕事をしていて、同じスタンスで両親にカメラを向けるも、両親の子供に、家族の一員に戻ってしまうそうです。
ご両親も「ハレでもないのにカメラなんか持ち出して」という感覚で、お互いに気恥ずかしさを感じ、写真家である自分、"子供"である自分との狭間で何を感じたのでしょうか。
清水さんは言います。「私は年に2回くらいしか実家に帰りません。つまり年に両親と会う回数と同じなんです。両親の年齢を考えると、あと数十回しか会えないんですね。」
わずか数時間。その中に決して切ることは出来ない親子、家族という関係性、空気感、そして濃い「血」を感じるのでしょう。
M2galleryでは、広瀬勉さんの「鳥渡3」が展示中です。
http://m2.placem.com/schedule/2010/20101203/101203.php
広瀬さんの作品には、いろいろなもの写り込んでいますが、バラバラな感じは全く無く作者の視線、あるいは体温の様なものや作者が発する空気感をも感じます。
今週のPlaceMの展示、M2galleryの展示とも見逃せません。

【眼撮ーる】