今週の展示は小山内大輔さんの「物質の行方」と大野伸彦さんの「fragile」です。
http://www.placem.com/schedule/2010/20101011/101011.html
メインギャラリーは小山内大輔さんの「物質の行方」
目の前の景色を物質として等価に見る事で、そこにモノの個性を削ぎ落とした、からっぽの風景を写す。
そんな試みの写真です。
感情は写真に写るのか。そんな問いかけへの反抗心から撮影を進めたと言う小山内さん。
作者の視点を否定したいと思ったと言うその写真は、空間ドキュメントと言えるようなクールな写真になっています。
ただ、僕が感じるのは、そんな小山内さんの反抗心から湧き上がった、写真家としての視線です。
ミニギャラリーは大野伸彦さんの「fragile」
造成中のブルーシートにおかれた土嚢にひっそりと生える草。
その脆く、果無いながらも力強く生きている草が6x6フォーマットの写真の中に納まりました。
僕は大野さんのミニ・ギャラリーの展示を見ると、カメラ毎日の連載を見ているような気分になります。
写真家の趣向をそっと提示してくれる、おもしろい連載を見ている感覚です。
Place Mの2F、M2ギャラリーでは、今週から菊池秀彰さんの「よきせぬ道へ」が始まっています。
http://m2.placem.com/schedule/2010/20101011/101011.php
菊池さんに少しお話を聞いた所、この写真は、自分ではない自分が撮り始めているような、そんなトリップした状態の時に訪れた出会いが写真になったそうです。夜勤明けに菊池さんが見た街の風景は、滑稽で奇妙です。
「路上でベロベロに酔っぱらっている人を撮影している自分もベロベロに酔っぱらっていて、逆にそんな状況になっていないと撮れないんです。」
自分もベロベロになる事で、その場の懐に入って行く。
実はこれ、なかなか出来ないんですよね。
菊池さんの感性にこれから期待します。
今週のPlace Mは、先週の森山さんの展示から一転して、M2ギャラリーとあわせて、3つの個性が楽しめます。
ぜひ、ご来廊下さい。
【フェニ丼】
2010年10月11日
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